
新型コロナウイルスが全世界で広がりつつあり、毎日のようにコロナウイルス肺炎についての報道がなされている中、アメリカでのインフルエンザの死者数が推計1万人を超えたという報告がありました。
しかしながらアメリカのインフルエンザに関するニュースの数は、中国の新型コロナウイルスに関する報道数と比較すると格段に少ないのです。
それはなぜなのでしょうか。
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アメリカのインフルエンザ流行の死者数はコロナウイルス肺炎以上!
中国の武漢で始まったコロナウイルス肺炎の流行について、毎日のように新たなニュースが飛び込んできます。
コロナウイルス肺炎による死者数は日々100人ペースで増え続けていて、2002年から2003年にかけて広まった重症呼吸器感染症(SARS)による死者数を上回りました。
SARSは約8ヶ月間に全世界で約8,100人が感染し、774人の死者が出ました。
一方で、新型コロナウイルス肺炎による感染者数はすでに2万人以上であり、3万人に到達しようとしています。(2020年2月9日時点)
このように新型コロナウイルスによる猛威が世界で報道されている最中、アメリカでのインフルエンザ感染者数も増え続けている事実があります。
米疾病対策センター(CDC)によると、2019年~2020年の期間でインフルエンザによる死者数が1万人を超えた。
CDCの最新のデータによると、1月25日までの1週間でインフルエンザ患者数は400万人増加した。
アメリカにおけるインフルエンザ患者の累計は、現在1,900万人を超えています。(2020年2月8日現在)
新型コロナウイルス肺炎についての脅威が全世界で報道されている中で、コロナウイルス感染とは比べ物にならないほどに死者数、感染者数を出しているのがアメリカのインフルエンザなのです。
日本ではコロナウイルスへの感染対策により、インフルエンザ罹患者数は例年に比べて、明らかに少ないことがわかっています。
アルコール消毒は普段であれば医療関係者しかほどんど使うことはありませんでしたが、今回の新型コロナウイルス肺炎の流行によって、アルコール消毒は一般の家庭でも使用されています。
また正しい手洗い方法がテレビでも連日報道されていて、日本人の感染対策への意識は普段以上に高まっています。
これだけの感染対策をしているのですから、インフルエンザの罹患者数が少ないのも納得ですね。
日本では新型コロナウイルスばかりに目が向けられていますが、アメリカのインフルエンザ罹患者数、死亡者数が多いというのも現実です。
しかしアメリカのインフルエンザ罹患者数と死亡者数に対しては、メディアでもあまり報じられていないと感じている人もいるのだとか。
それはなぜなのでしょうか。
アメリカのインフルエンザ流行をなぜ報道しない?理由は新型でないから
アメリカのインフルエンザ流行が新型コロナウイルスほどに報道されない理由としては、いくつかあるようですが、まず1つ目の理由としてインフルエンザが新型のウイルスではないというのが理由だと言われています。
インフルエンザは、A型、B型だけではなく、例年少しずつ変化した型が出てきているわけですが、コロナウイルスのように治療法が確立していないわけではなく、病院に行けば完治することがほとんどです。
新型コロナウイルスの場合は、確実な治療法が見つかっているわけではありませんよね。
タイでは、インフルエンザの治療薬とエイズの発症を抑える薬によって、コロナウイルス感染者の容態が改善したという結果を発表しましたが、この方法は感染者全員に効果があるわけではないということも明らかにしてます。
治療薬が見つかっていない疾患に罹患することを恐れるのは当然です。
主な治療薬が見つかっているか、見つかっていないか、ウイルスが新型か新型ではないかという視点でみると、アメリカのインフルエンザの流行について、新型コロナウイルスよりも報道数が少ないのも納得ですね。
アメリカのインフルエンザ流行を報道しないのはなぜ?報道規制があるの?
アメリカのインフルエンザ流行について、新型コロナウイルスに比べると報道されている数が少ないという理由として、報道規制があるのではないかと疑う人もいるようです。
コロナウイルスも怖いけど、アメリカのインフルエンザの方が怖い…。死者1万人超って、めちゃヤバイのに報道規制でもされてんの? コロナより余程怖いんだけど。
— booska (@mbooska) February 8, 2020
何故かこれを報道しない日本のテレビ局。
コロナウィルス共々恐ろしさを感じるのですが。#アメリカ#インフルエンザ#報道規制https://t.co/B4m5LhsF1M— つぁおりぅ (@caoliu) February 7, 2020
報道規制に関しては、報道関係者ではないので、はっきりとした情報についてはわかりませんが、報道規制があるかないかでいうと「ある」という可能性が高いかと思います。
アメリカは2020年11月3日に大統領選が控えていますし、アメリカにとって2020年は大切な年といえます。
また日米同盟を結んでいる日本にとっては、アメリカ批判にあたるような情報を流すことについては少なからず控えている可能性はあるでしょう。
アメリカのインフルエンザ流行を報道しないのは毎年のことだから
またアメリカのインフルエンザ流行について大きく報道されていない理由としては、毎年多くの感染者がいるからというのも理由の1つでしょう。
以下は2014年からのアメリカのインフルエンザの感染者数と死亡者数の推計です。
年代 | 感染者数 | 死亡者数 |
2014~2015 | 30,000,000人 | 51,000人 |
2015~2016 | 24,000,000人 | 23,000人 |
2016~2017 | 29,000,000人 | 38,000人 |
2017~2018 | 45,000,000人 | 61,000人 |
2018~2019 | 35,520,883人 | 34,157人 |
これを見ると、毎年数万人単位でインフルエンザによる感染により亡くなられていることがわかります。
このためアメリカのインフルエンザによる死亡者数や感染者数については、今年に始まったことではなく、例年のことだということがわかります。
またアメリカのインフルエンザによる死亡者数がここまで多いという理由としては、根本的にアメリカの人口が多いというものありますが、アメリカが国民皆保険制度ではないという理由が大きいでしょう。
実際にアメリカの感染者数に対する医療訪問者数をみてみましょう。
年代 | 感染者数 | 医療訪問者数 |
2014~2015 | 30,000,000人 | 14,000,000人 |
2015~2016 | 24,000,000人 | 11,000,000人 |
2016~2017 | 29,000,000人 | 14,000,000人 |
2017~2018 | 45,000,000人 | 21,000,000人 |
2018~2019 | 35,520,883人 | 16,520,350人 |
これをみると分かるように、アメリカのインフルエンザ感染者数の半数以下しか医療機関に受診していないことがわかります。
医療機関に受診するにも費用がかかりますので、インフルエンザに感染しても病院に受診せず放置している人も多いのでしょう。
またインフルエンザの予防接種をするにもお金がかかるためにインフルエンザワクチンを接種している人が少ないというのもアメリカのインフルエンザ感染者数、死亡者数が多い原因だと言えますね。
アメリカのインフルエンザ流行をなぜ報道しない?中国への偏見があるから?
アメリカのインフルエンザの流行についてあまり報道されない理由としては、中国への偏見もあるのかもしれません。
これは差別だと考える人もいるかもしれませんが、海外でも中国系レストランの売上が激減していたり、フードコートであっても、中国系レストランだけ来客者がいなかったりしているようです。
近所の小学校の中国人の女の子、学校休んでるらしい。
肺炎じゃないしずっと東京に居るのに中国籍ってだけでいじめられてるって。
上履きを焼却炉に捨てられたり。あり得ない。もう国籍差別だろ。
親は何やってんだよ。— SOE (@SOE_2020) February 1, 2020
イタリアで「私はウイルスでは無い。人間です。」と書かれたボードを持つ中国留学生。それを見た人々のとった行動が涙。
新型肺炎により、世界でのアジア人差別、日本での中国人差別が酷くなっているとよく聞きます。
でも、差別をせず互いに尊重し合える人も多くいる事を忘れないようにしたいです。 pic.twitter.com/rfJahHSfTF
— maki🌟中国インサイト🇨🇳 (@maki_ryu0614) February 8, 2020
中国から始まった新型コロナウイルスが猛威を奮っているということで、中国人に対する差別的な行動も増えているようですが、それは人種差別にあたり、行き過ぎた行動だといえますね。
正しい情報を持って、正しい行動をすることが大切ですね。
アメリカのインフルエンザ流行を報道しないのは日本だけでない?!
実はアメリカのインフルエンザ流行を報道していないのは日本だけではないようです。
海外でもその状況は同じのようで、日本に限ったことではありません。
それだけ世界の人々がアメリカのインフルエンザよりも、新型コロナウイルスに関する情報を求めているといえますし、アメリカのインフルエンザ流行にはアメリカの保険制度などの社会的背景が反映されている結果というのも理由の1つだと思います。
世界保健機関(WHO)も「ウイルスなどがどれくらい多くの人に感染しうるか」という能力を示す指数である基本再生産数に関して、新型コロナウイルスを「1.4から2.5」と暫定的に見積もっています。
これは新型コロナウイルスが「1人の感染者からおよそ2人に感染する」ということを意味します。
一方インフルエンザの基本再生産数は「2から3」で、「1人の感染者からおよそ2人から3人に感染する」とされています。
全世界的には、季節性インフルエンザは毎年300万人から500万人に感染し、最大65万人の死者を出しています。
ただしインフルエンザは新型コロナウイルス以上に毎年多くの死者を出している疾患ですので、ある意味コロナウイルスよりも脅威の疾患だといえるかもしれません。
手洗いうがいなどの基本的な感染対策をしっかりと行い、感染予防にと務める必要がありますね。
まとめ
アメリカのインフルエンザ流行を報道しない理由について考察してみました。
アメリカのインフルエンザ流行に関する報道が、新型コロナウイルスに関する報道よりも少ない理由としては、
- 例年アメリカでは多くのインフルエンザ罹患者数、死亡者数がいる
- 報道規制がある可能性もある
- 中国に対する差別的視点がある?
- ウイルスが新型ではないから
が考えられました。
新型コロナウイルス、インフルエンザともに、これ以上世界で拡大しないことを祈るばかりです。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。
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