毎年、物理学、化学、生理学・医学、文学、平和および経済学の分野において顕著な功績を残した人物に贈られるノーベル賞。
受賞者は歴史に名を残す国民の英雄です。
気になるそのノーベル賞の受賞金について調べてみました。
ノーベル賞の受賞額はいくら?財源はどこから来てるの?税金はどうなってるの?使い道は?など気になる疑問についてお伝えします。
Contents
ノーベル賞の受賞者2019
10月に入り、ノーベル賞2019の受賞者が発表され始めました。
まず2019年一人目の日本人受賞者は、
- 吉野彰氏【ノーベル化学賞】
吉野彰氏はスマートフォンなどに広く使われて、太陽発電や風力発電などの蓄電池としても活用が進む「リチウムイオン電池」を開発した人物です。
大手化学メーカーである旭化成の名誉フェローであります。
2019年日本人ノーベル賞の第一号に日本中が歓喜に包まれました。
ことしのノーベル化学賞の受賞者に、スマートフォンやパソコンなどに広く使われている「リチウムイオン電池」を開発した大手化学メーカー「旭化成」の名誉フェローの吉野彰さん(71)らが選ばれました。https://t.co/HUrId1DHN9 pic.twitter.com/j5tvqxfqHh
— NHKニュース (@nhk_news) October 9, 2019
スマートフォンが普及している現代において、吉野彰氏のリチウムイオン電池の発明は全世界の人々に大きな影響を与えています。
同じ日本人として誇りに思います。
おめでとうございます。
吉野彰氏に続く2人目のノーベル賞受賞者が楽しみですね。
ノーベル賞の賞金額はいくら?
ではそのノーベル賞の受賞額は一体いくらなのでしょうか。
ノーベル賞2019の受賞額は900万スウェーデンクローナであり、日本円にすると約1億円です。
ノーベル賞を受賞するレベルの偉大な方々ですので、余裕で一生生活するお金は持っておられると想像しますが、1億円が急に手に入るとなると経済的にも価値のある賞ですね。
念の為ですが、吉野彰氏のようにノーベル科学省部門での受賞者が複数人いる場合には、その受賞額の配当金は山分けになります。
それでも一人数千万円の受賞金が与えられるということになりますね。
しかしながら、ノーベル賞を受賞した方々は、その受賞に至るまでの長い辛い時期は私達が想像する以上のものなのでしょう。
ノーベル賞2019年日本人最初に受賞した吉野彰氏は辛かった時期を首を絞められるような苦しみだったと語っています。
開発したリチウムイオン電池が3年間、全く売れない時期があった。
精神的にも肉体的にもきつく、真綿で首を絞められるような苦しみだった。
しかし、正直私自身は幸せです。
リチウムイオン電池はIT革命という変革とともに育ってきた。
今後はリチウムイオン電池が環境問題に対しても適切なソリューションを提供できるかどうかが大切です。
その辛さを考えるともっと賞金があってもいいのではないかとも思いますが、ノーベル賞を受賞すること自体が何にも代えがたい名誉なことですね。
ノーベル賞の賞金の財源はどこから来てる?
ノーベル賞の賞金の財源はどこから来ているのか知っている人も多いかもしれませんが、一応説明しておきますと・・・
ノーベル賞は、スウェーデンの発明家・起業家であったアルフレッド・ノーベル氏の遺言によって設立されました。
アルフレッド・ノーベル氏はダイナマイトをはじめとするさまざまな爆薬の開発、生産によって巨万の富を得ました。
しかし爆薬や兵器の使用に一躍かったノーベル氏を批判する人々もたくさんいたことから、誤報道により自分の死亡記事を読むことになったノーベル氏が、自身の死後の評判を考えた結果、全財産の94%を寄付することに決めたのです。
その全財産の94%は3,100万スウェーデンクローナということですから、その額日本円で約3億円以上ですね。
私のすべての換金可能な財は、次の方法で処理されなくてはならない。
私の遺言執行者が安全な有価証券に投資し継続される基金を設立し、その毎年の利子について、前年に人類のために最大たる貢献をした人々に分配されるものとする。
と遺言には記載されていたようです。
その遺言通り、ノーベル氏が死去した1896年以降ノーベル氏の遺産の使い道に向けて議論が重ねられました。
そしてノーベル氏の意志を継ぐ人物らがノーベル財団設立委員会を結成して、様々なプロセスを経て、体制が整ったため1901年から世界的な賞として始まりました。
ちなみに貨幣価値がその頃と現代では大きく違いますので、3億円というのはあくまで目安として考えてください。
ノーベル賞の賞金額の推移!
ノーベル賞の受賞額は年々変化しています。
これはノーベル氏の財産運営を行っているノーベル財団の資産運用によって変動しているようですね。
1つの受賞に対して最大で1,000万スウェーデンクローナだったノーベル賞の賞金額が、2012年からは800万スウェーデンクローナとなり、2017年からは現在の900万スウェーデンクローナとなっています。
こちらがそのノーベル賞受賞額の推移になるので、気になる方はチェックしてください。
ノーベル賞の賞金額としては変動もあるようですが、ここ数年は変化していませんね。
ノーベル賞の賞金の財源はいつ底をつくの?
ノーベル氏が寄付した遺産は、約3100万スウェーデンクローナということでしたが、普通に考えて、遺産を運用しているだけだったら、ノーベル賞はもうそろそろ終わりなんじゃないの?って思いますよね。
といいますか、毎年物理学、化学、生理学・医学、文学、平和の分野ごとに約1億円の賞金が手渡されているわけですから、既に財源がなくなっていてもおかしくないですよね。
ノーベル賞公式サイトによると、その財源は、最初の賞金が授与された時点で着実に減少していったそうです。
しかしながら、ノーベル氏の遺言であった『安全な証券』に投資するべきという思いを引き継ぎ、投資の継続と税金の免除により、その財源額は安定しつつあるようです。
現在のノーベル財団の財源は約40億スウェーデンクローナということですので、ノーベル氏が遺した資産額と比べると約130倍です。
これを考慮すると、ノーベル賞が終わりを迎える可能性は今のところないと考えてよさそうです。
ノーベル賞の賞金に税金はかかるの?
ノーベル賞の賞金に税金がかかってくるのかという疑問についてですが、答えとしては、NOです。
日本では、ノーベル賞を受賞して賞金を手にしても、税金の課税対象にはなりません。
所得税法第9条13項には、
第九条 次に掲げる所得については、所得税を課さない。
(中略)
十三 次に掲げる年金又は金品
(中略)ホ ノーベル基金からノーベル賞として交付される金品
と記載されています。
実は、湯川秀樹博士が日本人初のノーベル物理学賞を受賞したときお祝いモード一色だったその勢いで、税金非課税でいいんじゃない?という方向性になったのだとか。
これが事実だとすれば、決め方がすごい曖昧な気もしますが・・・。
スポーツ選手などが賞金を獲得した場合、所得税としてその立場に応じて賞金の2割から4割程度を支払わなければならないという噂もありますので、それに比べると、このノーベル賞だけは特別ということですね。
ノーベル賞の経済学賞のみが税金課税対象って本当?
先程、ノーベル賞は税金非課税ということをお話しましたが、現状ではノーベル経済学賞だけが課税されることになっています。
その理由としては、経済学賞だけはノーベルの遺言にはなく、スウェーデン国立銀行の設立300周年祝賀の一環としてノーベルの死後70年後にあたる1968年に設立されたものであり、ノーベル財団やノーベル氏の遺族も「ノーベル賞ではない」との見解をしているからだそうです。
しかしながら、スウェーデン王立科学アカデミーが「新しいノーベル賞」として経済学賞を承認していることから、その定義が曖昧になっているようですね。
現在まだ日本でノーベル経済学賞の受賞者がいないため、この税金について今後どうなっていくのか行方が気になります。
ちなみにアメリカでは、ノーベル賞の賞金は課税されることになっていることから、国によってその方針は様々のようです。
ノーベル経済学賞の受賞金はノーベル財団の財源ではない?!
ノーベル財団が経済学賞をノーベル賞とみなしていないということをお伝えしましたが、その関係で、ノーベル経済学賞の受賞金だけはノーベル財団によって支払われていないのです。
受賞金額は他のノーベル賞各賞受賞者と同様の金額ですが、その財源は、スウェーデン国立銀行の献金を基金としています。
このことからも、経済学賞はノーベル賞とは少し違う扱いのような気がしてきました。
ノーベル賞の賞金の使い道は?
ノーベル賞受賞した方々の賞金の使い道についてもご紹介します。
ノーベル賞の賞金については、慈善団体に寄付す受賞者が多いようです。
オバマ元米大統領や欧州連合EUなどがそうですね。
2019年にノーベル賞を受賞した吉野彰氏の受賞額の使い道は明らかになっていませんが、今後のリチウムイオン電池の発展に役立てるように賞金の使い道を考えていかれるのではないでしょうか。
面白エピソードとして、特殊相対性理論を発見した科学者のアインシュタインは、そのノーベル賞賞金を妻との離婚のための慰謝料としたという話があります。
アインシュタインは妻との離婚時にはまだノーベル賞を受賞していませんでしたが、離婚時にその約束を交わし、2年後にノーベル賞受賞し、有言実行したのです。
アインシュタインが妻にとってもお世話になったということで、もしノーベル賞を取るということになれば、その賞金はすべて長年支えてくれた妻に・・・ということだったのでしょう。
さすが誰もが知っている天才アインシュタインさん。
約束することも次元を超えていますね。
妻もノーベル賞を受賞する見込みがあったからこそ、その離婚条件を飲んだのでしょう。
旦那がわたしにその条件を出してもそのようなデタラメを信じるわけないですしね。
まとめ
ノーベル賞の受賞金についてご紹介しました。
- ノーベル賞の2019受賞額は約1億円
- ノーベル賞受賞額の財源はノーベル氏の遺産が始まり
- ノーベル賞はノーベル財団によって管理
- ノーベル賞の財源は今の所底をつくことはない
- ノーベル賞の経済学賞以外の分野の賞金は非課税
- ノーベル賞の賞金の使い道は様々
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。